MACD(Moving Average Convergence Divergence)
MACDについて勉強したいと思います。
MACDは2本の指数平滑移動平均線(EMA)を用いて方向性や乖離、絡み具合に注目するオシレーターの一種です。
よって指数平滑移動平均線(EMA)の理解がまず第一にあります。EMAについて分からない方は、移動平均につていの章から学習を進めてください。
2本の指数平滑移動平均線とは何かといいますと。平均する日数の違いによる2本の線ということになります。
日足を主としてトレードする場合ですが、
EMA(5)と言えば、5日平均線(短期)と
EMA(20)と言えば、20日平均線(中期) の2種類を使ったりします。
この2本の平均日数は、市場や商品などにより各人が見つけなければならないそうです。(この作業をするためには、チャートソフトや表計算ソフトを駆使しなければなりません。今度、実験してみますね。)
この2本の線は、当然違う波動を描くわけで、その波動の差がMACDとなります。
MACD(5−20)=EMA(5)−EMA(20)
これは、5日EMAと20日EMAとの差ということになり、平均値が一致しているときにはMACDは0円になります。
またもう一アレンジして。
MACD(5−20) = { EMA(5)−EMA(20) } ÷ 本日の終値
の様に本日の終値で割り戻す方法もあります。この場合、終値に対するEMAの乖離割合となります。
こちらは、株価に関係なく一定のレンジで推移することになります。 -10% 〜 0 〜 +10% など。
割り戻さない場合は、株価に応じて波動の大きさが変わってしまいます。
チャートソフトによって言い方がことなるので、注意が必要です。
さらに、すごい使い方があります。
このMACDは0を基点とした上下の波を描きますが、さらにこの波自体の平均を取ろうと考えた人がいました。
もちろん平均のとり方は単純平均ではなく、平滑移動平均(EMA)を使用します。
MACD自体はEMAの乖離であるのに、そのMACDをさらにEMAで計算すると言ったことをします。ここら辺で私の頭は爆発します。
このMACDの平均線をシグナルと呼びます。ではMACDを何日ぐらいの平均で計算するかというと、これまた各自の調整だそうです。しかし、一般的には日足ペースでのトレーディングでは、MACD(5−20)、シグナル(9)を使用するようです。
シグナル(9)=MACD(5-20)の9日間の指数平滑平均
で、なんのためにシグナルなるものを考案したかというと、このシグナルの波動とMACDの波動でのゴールデンクロス、デッドクロスで売買のタイミングが掴めるからだそうです。
買いサイン
@MACD(5:20)がシグナル(9)を上抜いた時(ゴールデンクロス)
AMACD(5:20)がゼロラインを上抜いた時
BMACD(5:20)がシグナル(9)を上抜いて、その後すぐに、さらに両ラインがゼロラインを上抜いた時(@とAの複合サイン)
Bが理想的な上昇サインです。
売りサイン
@MACD(5:20)がシグナル(9)を下抜いた時(デットクロス)
AMACD(5:20)がゼロラインを下抜いた時
BMACD(5:20)がシグナル(9)を下抜いて、その後すぐに、さらに両ラインがゼロラインを下抜いた時(@とAの複合サイン)
Bが理想的なが下落サインです。
正直難しゅうございます。
注意点、MACDでのシグナルという用語は売買を指示するサインではありません。単純にMACDの平均です。
勘違いしやすいので注意しましょう。(私も最初訳がわかりませんでした。)
(まとめ)
1.MACDとは2種類の期間の異なるEMAの乖離(差)である。
2.MACDは0を基点とした波を描く(オシレーター的な)グラフになります。
3.MACDの波の形は、実際の株価の上下と非常に似た形になります。ここが移動平均線とは違います。(移動平均線は、価格が下がっていても、波動は上昇を示していることがあります。)
4.よってMACDとは0を基点とした株価上下の揺れを示す折れ線グラフをつくります。
5.この折れ線グラフ(MACD)を移動平均線にしたものがシグナル線です。
6.MACD線とシグナル線の交わり方で、売買のサインを出すことができます。
ヤフーファイナンスからのトヨタのチャートです。EMAは25日と75日になってなっていますが、上記の説明があっているか確認してみましょう。EMAの日数を長くとるということは、ある程度の大きな波動に乗ることになります。
理想的な買いサインの確認
MACDがシグナルを上抜いて、その後に、さらに両ラインがゼロラインを上抜いた時
ポイント@.2003年5月末時点
ポイントA.2003年8月中旬
の2つの地点で確かに買いサインを出していますね。
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